手前味噌の作り方




 

自分で味噌を作る良さは、材料を確かめられることはもちろんですが、なんといっても自分好みの味噌を作れること。こうじの割合を多めにすれば甘口に、控え目にすれば辛口になります。材料の分量を調整して、好みの味噌が作れます。
味噌づくりの材料は、こうじと大豆と自然塩のみ。とてもシンプルで簡単に作れるのも魅力の一つです。ぜひ味噌づくりにチャレンジしてみませんか?

意外と簡単!美味しい味噌づくり



 

好みの味噌を作るためには、まず基本的な材料と作り方を覚えましょう。材料はこうじ・大豆・自然塩の3種類。作り方も意外と簡単。基本をふまえた上で、オリジナルの味噌づくりに挑戦してみてください

材料 (出来上がり約4kgの場合)
こうじ(米・麦共通)  1kg
大豆  1kg
自然塩  450g
種汁(大豆の煮汁)  200cc
容器(寸胴タイプの瓶やホーロー製のもの)
豆をつぶす道具
非塩素系ラップまたはさらしなど
重石・押し蓋(つくり方8の自然塩のフタで代用可)

[煮大豆使用の場合]
こうじ(米・麦共通)  1.6kg
煮大豆  2kg
自然塩  400g
水(一度煮沸)  100cc

 <作り方>

1.

大豆を水に浸して一晩おく。

2.

その大豆をやわらかくなるまで煮る。

3.

こうじを自然塩と混ぜ合わせ、塩切りこうじをつくる。このとき自然塩を約10〜15%残しておく。

4.

煮た大豆をザルにあける。煮汁はとっておく。

5.

熱いうちに煮た大豆をつぶす。

6.

塩切りこうじと大豆をあわせる。煮汁を加え耳たぶくらいの柔らかさにする。

7.

丸めてみそ玉をつくり、空気が入らないように容器に詰める。表面を平らにし、表面に残しておいた自然塩をまぶす。

8.

非塩素系ラップまたはさらしなどをはりつけ、その上に自然塩を2cm敷きつめフタをする。(塩ではなく、落し蓋でもOK)

9.

風通しのよい直射日光が当たらず、温度変化の少ないところで保管します。

10.

3〜4ヶ月後切り返しをします。カビが発生していたら取り除き、全体を混ぜ、元のようにフタをします。

11.

6ヶ月位から食べられます。好みの味に熟成したら、密封容器に移しかえ、冷蔵庫で保存します。

 

★カビを防ぐには … 仕込むときに容器や道具を熱湯消毒すること。焼酎で拭くとカビがはえにくいです。

オリジナルの味噌を作ろう!

 

味噌の作り方の材料では、大豆とこうじの量を1:1としましたが、こうじの量を調節することで甘い味噌や辛い味噌を作ることができます。いろいろと試してみて、自分好みの味のオリジナル味噌を作りましょう。
甘口味噌 … 大豆に対してこうじの量を多くすると甘くなります。大豆1に対してこうじ1〜1.5の間の割合で調節して好みの味にしましょう。ただし、大豆1:こうじ1.5以上にすると、作るのが難しくなります。
麦味噌の場合、麦こうじは甘味が足りないので、米味噌の場合より、こうじを2〜5割程度多くするとおいしい味噌が出来ます。大豆1に対してこうじ1.2〜1.5が目安です。麦こうじは発酵が早いので、早く食べられます。その分、風味が落ちるのも早いので早めに食べましょう。
辛口味噌 … 甘口味噌とは逆に、こうじを減らします。大豆1に対してこうじ1〜0.8の間の割合で調節しましょう。それ以上こうじの割合を減らすと、風味が落ちてしまいます。
ブレンド味噌 … 米こうじに麦こうじを混ぜたこうじを使って味噌を作ると、麦の栄養も含み風味もよい味噌を作ることができます。麦こうじの割合は、こうじ全体の2〜3割程度がよいでしょう。多すぎると麦味噌と同じになってしまいます。このブレンド味噌は、風味が落ちるのが早いので、少量作って早めに食べましょう。

いろいろな味噌


 

味噌にはいろいろな種類があります。味噌の材料や分量によっていろいろな特徴が出ます。また地域によっても特徴があり、有名なものには、津軽味噌(米味噌/辛口/赤)、仙台味噌(米味噌/辛口/赤)、越後味噌(米味噌/辛口/赤)、江戸甘味噌(米味噌/甘口/赤)、信州味噌(米味噌/辛口/淡色)などがあります。

米味噌 … 米こうじ(糀)を使って作られる一般的な味噌です。材料の割合によって味・色が異なり、甘みそ(白・赤)、甘口みそ(淡色・赤)、辛口みそ(淡色・赤)があります。
玄米味噌 … 玄米こうじ(糀)を使った味噌で、とても栄養価が高く、味噌汁にするととてもコクがあります。
麦味噌 … 麦こうじ(麹)を使った味噌で、地域によっては「田舎みそ」とも呼ばれています。米味噌に比べ甘味が少ないですが、発酵が早く、早く食べられます。
豆味噌 … 大豆そのものをこうじにして作る味噌で、愛知・岐阜・三重などで作られています。豆味噌に米味噌を合わせた味噌が「赤だし」です。

おいしい味噌は良い素材から

 

【有機米こうじ】 1kg
こうじ菌は室町時代から続く京都の「菱六」です。
米味噌を作るための、醗酵がうまくいく初心向きのこうじです。有機米を使った品質のよい米糀です。甘酒、こうじ漬などにもどうぞ。

 

【有機玄米こうじ】 1kg
こうじ菌は室町時代から続く京都の「菱六」です。
とてもコクがあり、おいしい玄米みそを作るのに最適です。栄養たっぷり、味噌汁にコクが出ます。二年ものの熟成味噌にどうぞ。

 

【やさか麦こうじ】 1kg
広島県産。農薬、化学肥料不使用
香りの良い、ほんのり甘い味噌に仕上がります。発酵が早く、米味噌より早くできます。

 

漢字では米から作ったこうじを「糀」。
麦から作ったこうじを「麹」と書きます。

 

【有機大豆】 1kg
青森県産の有機大豆
ゆで上がりの柔らかさ・風味の豊かさを、ぜひ味わってください。味噌も甘味・コクのある味に仕上がります。

 

【海の精】 500g/3kg
海の精(東京)
伊豆大島で、黒潮が運ぶ海水を原料に、太陽と風と火の力を利用した日本の伝統製塩法によって作られた自然海塩です。ミネラル豊富、まろやかでほのかな甘みがあります。

 

【カンホアの塩・石臼挽き】 500g
鹽屋(東京)
原料はベトナム・カンホアプロヴァンス、ホンコイ村のきれいな海水100%。燃料は使わず、南国の天日と自然風のみで濃縮された完全天日塩です。

こうじが余ったら作ってみよう


麦こうじで 即席漬け
材料
大根(またはかぶ)  1kg
塩  50g弱
こうじ山盛り  1カップ
洗双糖  1カップ


<作り方>
1.大根は、2つに割って2〜3日日光に当てて干しておきます。
2.容器の底に塩をふり、大根を適当な大きさに切って並べ、こうじ、洗双糖、塩をふりかけ、またその上 に大根を並べて一段ごとにこうじ・洗双糖をふって漬けます。
3.押し蓋、重石をして3〜4週間おきます。20日くらいから食べられます